スカパンクバンドHEY-SMITHの猪狩秀平が公開した最新動画が注目を集めている。今回は“いつもと違う”演出を排し、詐欺未遂の現場に密着したガチドキュメント。チケット取引で被害に遭いかけたA子さんからのDMをきっかけに、疑惑の人物と直接会って真相を追及する様子が収められている。
動画の概要:緊迫の“現場接触”
映像は、やり取りの経緯を整理するパートから始まり、その後、現場での接触シーンへ。猪狩は終始落ち着いた口調で、入手経路・取引条件・矛盾点を丁寧に確認していく。動画の狙いは糾弾ではなく、被害の未然防止にあることが明確に示される。
詐欺の手口:いわゆる“関係者チケット”型
- SNS勧誘: 「関係者チケットあります」とDMで近づく。実際には存在しないチケット。
- もっともらしい説明: 「紙チケット」「名前で入場できる」など、外形的に正当化するワードを提示。
- 価格つり上げ: 取引直前に1万円→1万2500円など値上げ要求。
- 現物なし取引: チケットや正規リセールの証跡を見せず、送金を急がせる。
法律とリスク:知っておくべき最低限
チケットをめぐる不正は、行為の態様によって複数の法令に触れる可能性がある。
- チケット不正転売防止法: 不正転売は1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になり得る。
- 詐欺罪: 実体のない権利を売る・虚偽説明で金銭を得るなどは、10年以下の懲役に問われ得る。
- 名目と実態: 「譲渡」と称しても、内容が虚偽なら詐欺に該当し得る。
現場で浮き彫りになった“矛盾”
接触の場面では、本人の主張と事実の整合性が何度も問われる。
- 「悪いこととは思ってなかった」「初めてです」と弁明する一方で、過去にも譲渡(売却)歴がある発言が見られる。
- 「母が関係者」と主張するが、所属・役割・証憑の提示ができず、説明が二転三転。
- 「名前で入れる」「前にも同様に入手した」などの発言があるが、正規手続と齟齬が目立つ。
突撃パートの要点:淡々と論点を詰める
猪狩は感情的に煽らず、「なぜ値上げが必要だったのか」「誰がどの経路で“関係者枠”を得たのか」「現物や証跡はどこにあるのか」を一つずつ確認。第三者(動画内では“ママ”と呼ばれる人物)を巡る説明にも踏み込むが、核心を裏付ける証拠は示されない。映像からは、金銭を得る目的で“関係者枠”の名を利用しようとした意図が読み取れる。
動画の結論:完全な詐欺行為であると判断
動画内の結論は明快だ。プロモーターや運営は関与しておらず、取引実体のない“関係者チケット”を口実に金銭を得ようとしたと整理。今回は顔出しを見送りつつも、再犯・被害拡大の可能性があれば警察に相談する意向に言及している。
被害に遭わないためのチェックリスト
- 正規ルート確認: 公式サイト/プレイガイドの販売・リセール情報を必ずチェック。
- DMの個人取引は避ける: 「譲ります」「関係者枠」などの誘いに反応しない。
- 現物・証跡の確認: チケット番号・座席・発券情報などの整合性を確認(スクショは偽装リスクあり)。
- 前払い厳禁: 受け取り証跡・本人確認のない前払いはしない。
- 不自然な値段/急かし: 直前の値上げや急かしは強い警戒信号。
ファンとアーティストのために:動画が投げかけたもの
映像のトーンは、怒りよりも「悲しみ」に近い。被害者も加害者も生まないために、「騙す側にも、騙される側にもならない」というメッセージが繰り返される。人気公演の熱量に比例して、グレーな個人取引も増えやすい。だからこそ、チケットは正規で買うという原則を、改めて共有したい。
まとめ
今回のドキュメントは、“関係者チケット”を装う典型的な詐欺手口を可視化した。説明の曖昧さ、値上げ要求、現物不在、第三者の権威づけ──そのどれか一つでも見えた時点で、取引から離れるのが賢明だ。ライブを楽しむために、まずは安全な購入と自衛を徹底しよう。
