NEWS

フジ「サン!シャイン」打ち切り決定 わずか1年で終了へ――視聴率低迷の真相と“朝のフジ”の迷走

サン!シャイン打ち切りへ

フジテレビの朝の情報番組「サン!シャイン」(月〜金曜・前8:14〜)が、来年3月末で終了する方針であることが明らかになりました。スタートは2025年3月31日。ちょうど丸1年での打ち切り決断となり、テレビ業界でも「異例の早さ」として波紋を呼んでいます。

谷原章介が“朝の顔”を続投も…視聴率は2〜3%台で苦戦

「サン!シャイン」は、前番組「めざまし8」を引き継ぐ形でスタートし、メインキャスターは引き続き谷原章介が担当。武田鉄矢、カズレーザー(メイプル超合金)ら幅広い世代に親しまれるタレントをレギュラーに迎え、「若年層から年配まで楽しめるニュース&情報番組」を掲げていました。

番組の特徴として、谷原が従来の「立ち進行」スタイルから一転、イスに座って視聴者と同じ目線でニュースを聞くような構成に変更した点も話題に。落ち着いたトーンでニュースや生活情報を伝えるスタイルは、一部の視聴者から「朝にちょうどいい」「聞きやすい」と一定の評価も得ていました。

しかし、数字は冷酷でした。初回放送こそ世帯視聴率4.0%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録しましたが、その後は2〜3%台で推移する苦しい状況が続くことに。関係者は「内容面では日々工夫を重ねていたが、視聴率にはなかなか結びつかなかった」と語っています。

激戦区「朝8時」の壁 あさイチ&羽鳥モーニングの牙城崩せず

平日午前8時台は、どの局も総力戦で臨む“超激戦区”。NHK「あさイチ」とテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」が長年トップ争いを繰り広げ、その牙城を崩すのは並大抵ではありません。

フジテレビにとって、この時間帯は長寿番組「とくダネ!」(1999〜2021年)が長くブランドとして定着していましたが、近年は視聴者の高齢化や情報番組の乱立もあり、朝の視聴習慣をなかなか取り戻せない状態が続いてきました。

「サン!シャイン」も例外ではなく、スタート当初から「内容は悪くないのに、存在感が薄い」「チャンネルを変える理由になりづらい」といった厳しい声も。ニュースの深掘りとバラエティ的な要素のバランスが難しく、他局の“強い軸”に対抗しきれなかった印象は否めません。

打ち切りは“1年で決断”というスピード フジの本音は?

あるフジ局関係者は、今回の終了について「帯番組を1年で終わらせるのは本来なら相当早い判断だが、数字が伸びない以上やむを得ない」と説明。新たな大型情報番組を立ち上げる選択肢もあったものの、最終的には別の方針が選ばれたといいます。

その「別の方針」とは、好調な『めざましテレビ』の時間拡大です。記事によれば、後枠は「めざましテレビ」の放送時間延長で調整中とのこと。つまり、フジの“朝の顔”を一本化し、「めざまし」ブランドへの集中投資でテコ入れを図る狙いが見えてきます。

新番組をゼロから立ち上げるには、編成・制作・宣伝すべてに大きなコストがかかります。一方、「めざまし」は長年の視聴習慣やブランド力があるため、視聴者をそのまま8時台までスライドさせやすいという計算も働いているのでしょう。

谷原章介はどうなる? “朝の顔”の今後に注目集まる

「めざまし8」から「サン!シャイン」まで、フジの朝を支えてきた谷原章介。視聴者からは「穏やかで聞き取りやすい」「ニュースと人情話のバランスがよい」といった評価も多く、キャスター本人への不満より、番組の構成や企画の弱さを指摘する声の方が目立ちました。

現時点では、「サン!シャイン」終了後の谷原の去就について正式な発表はありませんが、長年“朝の顔”を続けてきた実績を考えれば、フジの別枠や特番、あるいは他局を含めた新たなフィールドでの活躍も十分考えられます。

SNS上ではすでに、
「谷原さんの朝のニュース、好きだったから残念」
「サン!シャインは終わっても、谷原さんには何らかの形で情報番組に出てほしい」
といった声も上がっており、“番組の終了”と“キャスターの評価”は別問題として受け止められている印象です。

“朝バラエティ寄り情報番組”の難しさ

「サン!シャイン」は、ニュース・ワイドショー・生活情報に加え、芸能やエンタメも扱う構成でしたが、シリアスなニュースを求める層と、軽めの情報を求める層、どちらにも刺さり切れなかったという見方もあります。

・硬派ニュースは「モーニングショー」やNHKに視聴者が流れる
・ワイドショー色の強い話題は、9時台以降の番組に任せたほうが見やすい
・若年層はそもそもテレビではなくスマホニュースやSNSで情報をチェックしている

こうした構造のなかで、「何を一番の売りにする番組なのか」が視聴者に伝わりにくかったことも、視聴率苦戦の一因といえるでしょう。

“朝のフジ”はどこへ向かうのか

ここ数年、フジテレビの朝ワイドは「とくダネ!」終了後、複数の番組を経て試行錯誤が続いています。「サン!シャイン」の1年打ち切りは、フジが“勝てるフォーマット”を模索している途上にあることの象徴ともいえそうです。

今回の編成転換によって、「めざましテレビ」ブランドを軸にしたシンプルな体制に戻すという判断がどのような結果をもたらすのか。2026年度以降の視聴率動向はもちろん、番組内容やキャスターの布陣にも注目が集まりそうです。

視聴者としては、「サン!シャイン」で培われた丁寧な解説や落ち着いた雰囲気と、従来の「めざまし」らしい明るさ・テンポ感がうまく融合した“新しい朝のフジ像”が生まれることに期待したいところです。

-NEWS
-, , ,