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星野源の紅白出演が物議…「特別企画」「事前収録」という形に賛否 昨年の“曲目変更騒動”が尾を引く理由

星野源紅白11年連続出場

シンガーソングライター・俳優の星野源が、今年の『第76回NHK紅白歌合戦』に出演すると発表された。 ただ、今回の扱いは通常の紅白出場枠ではなく「特別企画」かつ「事前収録」。 “紅白常連”として知られる存在だからこそ、「また出るの?」「この形は何?」と、歓迎と戸惑いが同時に噴き上がっている。

物議の背景にあるのは、昨年の紅白で起きた“異例の曲目変更”だ。 あの一件は、星野本人だけでなく、NHK側の選曲や説明のあり方まで含めて論点が広がり、今もなお語られ続けている。 今年の発表は、単なる「出演決定」で終わらず、昨年の記憶を呼び起こすニュースになってしまった。

今年の紅白で何が発表された?「創造」をニンテンドーミュージアムから披露

今回発表された内容を、まず淡々と整理する。 星野源は紅白に11回目の出演となる一方で、今年は白組・紅組といった通常枠ではなく「特別企画」扱い。 披露する曲はアルバム『Gen』収録の『創造』で、京都・宇治にあるニンテンドーミュージアムを舞台にスペシャルパフォーマンスを行うとされている。 そして重要なのが、当日の生中継ではなく事前収録だという点だ。

『創造』は、2021年に『スーパーマリオブラザーズ』35周年のテーマ曲として提供された楽曲として知られ、 “ものづくり”や“遊び心”を前面に押し出した、星野の代表的なポップネスが詰まった一曲でもある。 その曲を、ニンテンドーミュージアムという場所から届ける——この企画自体は、紅白の「特別企画」枠として分かりやすい。

ただし、視聴者の受け止めは一枚岩ではない。 「企画として面白い」「見たい」という声がある一方、 “なぜ生放送ではないのか”“なぜ通常枠ではないのか”という引っかかりが、今回の賛否の出発点になっている。

なぜここまで荒れる?焦点は「出演そのもの」より“出演の形”

「出る/出ない」だけなら、ここまで荒れない。 では何が刺さっているのかというと、多くは出演の形だ。 特別企画、事前収録、場所企画——これらは紅白で珍しいものではないが、 星野源という“毎年のように紅白で見る存在”に付くと、どうしても意味を読みたくなる。

  • 「普通に出場させればいいのに」=扱いが違う理由が気になる
  • 「事前収録までして出る必要ある?」=距離感を感じる
  • 「去年の件の“贖罪”みたいに見える」=昨年の騒動と結び付けてしまう

つまり、視聴者が反応しているのは、 星野源がどう歌うか以前に、“紅白が星野源をどう扱うのか”という部分なのだ。

昨年の紅白で何があった?「本番直前の曲目変更」が“異例”と言われた理由

議論を避けて通れないのが、昨年の曲目変更騒動だ。 当初、星野は紅白で『地獄でなぜ悪い』を披露予定とされていたが、 SNSなどで楽曲の背景についてさまざまな指摘が出たことで、本番の直前に歌唱曲が『ばらばら』へ変更された。 ここが「異例」と受け止められた最大の理由は、変更そのものだけではなく、 “なぜこの選曲になったのか”“なぜ直前まで進んだのか”という説明不足感が残ったことだ。

さらに、この出来事は「星野が悪い/NHKが悪い」と単純化できない。 作品や文脈の扱いは極めて繊細で、関わる人が多く、意思決定も多段階になりやすい。 だからこそ、視聴者の側では「誰の責任か」より先に、 “また同じことが起きるのでは”という不信感が残りやすい。 その空気が、今年の“特別企画・事前収録”を見た瞬間に再燃してしまった。

“NHKと関係悪化説”が出る背景:憶測が生まれる空白がある

昨年の騒動のあと、「NHKと関係が悪化したのでは」といった見方が一部で語られてきた。 その理由として挙げられがちなのが、星野の冠番組『おげんさんといっしょ』が2025年3月に“ファイナル”を迎えたこと、 そして「紅白の出場歌手が発表された段階で名前が見当たらなかった」タイミングがあったことなどだ。 こうした点がつながって、ストーリーとして“関係悪化”が語られてしまう。

ただ、ここは冷静に切り分ける必要がある。 以降も星野はNHKの音楽番組に登場しており、さらに来年には新たな音楽番組が始まるという情報も出ている。 つまり「決定的に関係が切れた」と断定できる材料は見当たらず、 実態としては、昨年の件を受けて“扱い方が調整された”と見る余地もある。

今年の「特別企画」も、関係悪化の証拠というより、 “紅白の舞台で星野源をどう見せるか”を再設計した結果——そう受け取る人が出ても不思議ではない。 ただし、これはあくまで受け止めの話であり、断定はできない。

今年の見どころ:議論を超えて「創造」という曲が持つ意味

ここまで賛否を整理してきたが、結局、紅白は“歌”で評価がひっくり返る番組でもある。 『創造』は、明るさ、ユーモア、音楽的な構築、そして“ものづくり”への眼差しが凝縮された楽曲だ。 企画の舞台がニンテンドーミュージアムである以上、 パフォーマンスは「歌う」だけでなく、空間・映像・文脈ごと届ける構成になる可能性が高い。

そして、事前収録には事前収録の強みがある。 生放送の緊張感は薄れる一方、音・映像・演出の完成度は上げやすい。 昨年のように“放送直前の判断”が視聴者の記憶に残ってしまった以上、 今年は「作品としての完成度でねじ伏せる」という戦い方になるのかもしれない。

まとめ:燃えたのは「出演」ではなく“信頼の扱い方”だった

星野源の紅白出演は、11回目という事実だけを見れば“いつものニュース”のはずだった。 それが物議になったのは、昨年の曲目変更騒動があり、 今年は「特別企画」「事前収録」という形で発表されたからだ。 視聴者は、星野源の歌唱力を疑っているのではない。 「紅白側がどう学び、どう扱い、どう説明するのか」——その“信頼の扱い方”に敏感になっている。

だからこそ、今年のパフォーマンスがどう着地するかは重要になる。 企画が成功すれば「余計な憶測」を吹き飛ばせる一方、 もし説明不足や違和感が残れば、昨年の記憶はまた蒸し返される。 紅白のステージは、歌手にとって晴れの舞台であると同時に、 放送側にとっても“信用”が問われる場所だ。 星野源の『創造』が、議論を超えて視聴後に気持ちよく残るパフォーマンスになるのか——注目はそこに集まっている。

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