大阪在住の4人組ロックバンド・アルコサイトが、公式サイトおよびSNSを通じて、ベース担当の濱口亮さんが2025年12月9日に永眠した（享年30歳）と発表しました。
バンド側は「突然の悲報で、メンバー・スタッフ全員が、現実を受け止められない状況」とコメントしており、ファンのみならず関係者にも大きな衝撃が走っています。
公式発表の内容──告別式は近親者・関係者のみで執り行い
アルコサイトの公式サイトに掲載されたコメントでは、まずファンや関係者に向けて深い感謝の言葉が綴られました。
- 「アルコサイトのベース濱口亮が令和7年12月9日に永眠いたしました」
- 「濱口亮に対する生前のご厚情に心より感謝申し上げます」
- 「告別式はご遺族の意向により、近親者と生前お世話になった方々で執り行います」
といった文面からも、突然の別れに対するやりきれない思いと、濱口さんへの深い敬意が伝わってきます。
今後のバンド活動については「改めてご報告」とされており、現時点では具体的な方針は示されていません。
アルコサイトとはどんなバンドだったのか
アルコサイトは、大阪を拠点に活動する4人組ロックバンド。
2013年前後、高校時代のメンバーを中心に結成され、ギターロックやエモのエッセンスを取り入れたサウンドと、感情をむき出しにしたボーカルで関西インディーシーンの中でも注目を集めてきました。
音源面では、初期にはミニアルバムや会場限定盤を精力的に発表し、ライブハウスを軸にじわじわと支持を拡大。
近年では、
- 1st EP「思い出に変わるまで」の全国リリース
- 同時リリースの会場限定盤「眠れるわけない」
- それらを携えた全国ツアー「オリオンを探す少年少女ツアー」
- ツアーファイナルとしての大阪・心斎橋JANUSワンマン公演
といった展開で、関西ローカルを飛び出し全国規模でリスナーを獲得しつつありました。
大きなタイアップやメジャーシーンでの派手な露出こそ多くはなかったものの、ライブハウスを中心に「次に来るギターロックバンド」として名前を挙げるファンも多かった存在と言えるでしょう。
濱口亮さんがバンドにもたらしていたもの
濱口さんは、ライブ映像や写真からも伝わるように、低音でバンド全体を支えるだけでなく、ステージ上での存在感も大きなメンバーでした。
- メロディアスなギターとエモーショナルなボーカルを支える堅実なベースライン
- 曲のダイナミクスを決める“土台”としてのリズムワーク
- MCやステージ上での立ち振る舞いを通じた、温かくもロックなムード作り
といった役割を担い、「アルコサイトらしさ」の一部を確かに形作ってきた存在でした。
そのベーシストが突然この世を去ったという知らせは、バンドの音楽的な側面だけでなく、精神的な支柱を失ったという意味でも、計り知れない打撃となっています[/y>。突然の訃報、ファンの間に広がる喪失感
公式発表後、SNS上にはファンからの追悼メッセージが続々と投稿されました。
- 「信じられない。ついこの前までライブでベースを弾いていたのに…」
- 「アルコサイトの低音は濱口さんじゃないとダメなんだよ」
- 「たくさん救われた。音楽を届けてくれてありがとう」
といった声からは、アルコサイトの音楽が、聴き手の人生に確かな影響を与えていたことがうかがえます。
ライブハウスで直接音を浴びてきたリスナーにとって、今回の訃報は「身近な友人を失ったようだ」と感じるほどの喪失感を伴う出来事となっているようです
。
今後のバンド活動はどうなるのか
現時点では、バンド側は「今後の活動については改めて報告する」としているのみで、解散や活動継続など、具体的な方向性については明かされていません。
ただ、これまでのインタビューや活動スタイルからも、
- メンバー4人で積み重ねてきたライブハウス中心の地道な活動
- コロナ禍を経ても諦めずにツアーやワンマンを打ち続けてきた姿勢
- 「アルコサイト」という名前に込められた、等身大の感情や葛藤
といった背景があり、どの選択をするとしても簡単には決められない重さがあるのは間違いありません。
ファンとしては、まずはメンバーとご遺族の気持ちが少しでも落ち着くこと、そして濱口さんが残した音楽がこれからも聴き継がれていくことを静かに願うしかありません。
残された音源とライブの記憶は消えない
アルコサイトがこれまでにリリースしてきた作品は、ストリーミングやCDを通じて今も聴くことができます。
初期衝動を感じさせる音源から、EP「思い出に変わるまで」以降のより深みを増した楽曲まで、
- ライブハウスの熱気と焦燥感
- 夜の街をさまようような孤独
- それでも前に進もうとする若者の「まっすぐさ」
が詰め込まれており、どの作品にも濱口さんのベースが確かに刻まれています。
バンドの行く末がどうなろうとも、すでに世に残された音源と、ライブハウスで鳴り響いたあの低音は、これからも多くのリスナーの中で生き続けていくはずです。
まとめ──濱口亮さんへ、ありがとう
大阪から全国へとじわじわと存在感を広げていたロックバンド・アルコサイト。その中で、濱口亮さんは、派手なポジションではないかもしれませんが、バンドの屋台骨として確かな仕事を続けてきたベーシストでした。
突然の訃報に言葉を失うファンも多いなか、今できることはただひとつ。
これまで届けてくれた音楽に感謝しながら、彼が残したフレーズ一つひとつに耳を傾けることなのかもしれません。
濱口亮さんのご冥福を心よりお祈りいたします。
