お笑いタレント東野幸治(58)が、11月7日深夜放送のABCラジオ「東野幸治のホンモノラジオ」で、4人組女性ロックバンド「おとぼけビ~バ~」に対する前回オンエアでの発言を謝罪した。タイトルコール直後から「この1週間も怒られてばっかりでした。とにかくごめんなさい」と頭を下げ、問題となった表現について「本当に反省している」と明確に述べた。番組内では発言の修正と背景説明が行われ、関連報道も相次いでいる。
経緯:Oasis東京ドーム公演トーク→表現が波紋→ラジオで訂正と謝罪
事の発端は、前週のオンエアで語られた英ロックバンド・Oasisの東京ドーム公演(10月下旬)の感想トークだ。東野は、オープニングアクトを務めたおとぼけビ~バ~のステージについて、興奮気味に印象を語るなかで「ちょけてる4人」などの表現を用い、さらに“女性器の名称を連呼していた”と受け取れる趣旨の発言をした。これがリスナーや関係者の指摘を受け、今回の放送で不適切な言い回しだったことを認めて謝罪。連呼に関しては「実際にはしていなかった」として訂正した。
東野は、「素晴らしさを幼稚な言葉で形容してしまった」「本意は賛辞だったが、客観的には不適切」と説明。さらに、共にライブを観たカンニング竹山の名を挙げ、「オッサン2人の耳にはそう聞こえた。言い訳せず謝りたい」と反省の姿勢を重ねた。番組の公式Xでも、この回は「謝罪、謝罪、謝罪回」と明言されている。
ラジオでの主な謝罪ポイント
- 言葉選びの問題:「ちょけてる」等の表現が、対象への敬意や評価を伝えるうえで不適切だった点を認めて謝罪。
- 事実誤認の訂正:“女性器の名称を連呼”は事実ではないとして訂正し、誤情報の拡散になり得たことを謝罪。
- 姿勢の表明:「陰ながら応援」「遠くから見守る」「真摯に向き合う」を繰り返し、今後の再発防止と配慮の徹底に言及。
背景:オープニングアクト「おとぼけビ~バ~」とOasis東京ドーム
今回の話題の前提には、Oasisの日本公演でおとぼけビ~バ~がスペシャル・ゲスト(オープニングアクト)を務めたという事実がある。ライブナションの告知では、10月26日(日)に Otoboke Beaver が出演するとともに、開場・開演のタイムテーブルが示されている。国内外のライブレビューでも、彼女たちの激しく切れ味のある演奏と会場の熱狂が伝えられた。
おとぼけビ~バ~は、京都発の女性4人組パンク/ガレージロック・バンドとして知られ、海外フェス出演や海外レーベルからのリリースなどを通じて国際的にも評価を高めてきた存在。Oasisの東京ドームという巨大な舞台での抜擢は、バンドの勢いを象徴する出来事だった。一方で、巨大ドームでの前座という特殊な環境は、MCやニュアンスの聞き取りにおいても観客側の受け取りに幅が出やすい状況でもある。今回、「聞き間違い」「文脈の取り違え」が生じた可能性を東野自身が認め、訂正と謝罪に至った点は重要だ。
報道・書き起こし:何がどう伝えられたか
スポーツ紙やウェブメディアは、当該放送の謝罪と訂正を相次いで報道した。記事では「1週間怒られてばかり」「言い訳せずに謝る」「陰ながら応援する」といった東野の言葉がポイントとして整理され、事実誤認の訂正と言葉選びの反省が焦点になった。また、ラジオのトーク内容を要約した書き起こしサイトでも、前週の“問題となった比喩”、今週の訂正・謝罪の流れが具体的に記録されている。
番組の公式Xは、当該回の放送前に「謝罪回」であることを明確に告知。これにより、オンエア前から注目が集まり、結果として訂正内容が迅速に共有される形になった。公開メディアと番組公式の同時並行的な情報発信は、誤情報の修正速度を上げるうえで有効に働いたといえる。
SNSの反応
番組公式ポストや関連記事の共有ポストのリプライ欄などには、様々な声が寄せられた。以下は代表的な傾向を短く要約したもの(個別アカウントを断定引用せず、趣旨ベースで整理)。
- 「訂正と謝罪が早かったのは評価。今後は言葉選びにより配慮してほしい」
- 「最初の発言の影響は小さくない。誤情報は拡散しやすいので、オンエア前のチェック体制を」
- 「大舞台の高揚感で聞き違いはあり得るが、対象への敬意は常に必要。今回は速やかに修正できた」
- 「『幻聴』の表現は軽く聞こえる。訂正の意図が伝わるよう、言葉の選び直しも望みたい」
なお、番組側の「謝罪回」事前告知により、オンエアの要点が短時間で共有され、反応も比較的整理されていったことがうかがえる。
今回のケースから見える「言葉」のリスク管理
生放送や収録ラジオのトークでは、熱量が思考の早さを上回る瞬間がある。比喩・形容の妙が魅力になることもあれば、対象への敬意を欠いた言葉や事実関係とズレた言及が大きなダメージを生むこともある。今回は、(1)不適切な表現の撤回、(2)事実誤認の訂正、(3)再発防止の姿勢表明、(4)公式アカウントでの事前告知という一連の対応によって、誤情報の矯正速度が高まった。
一方で、最初の発言のインパクトが強いほど、訂正の周知には重ねての説明と時間が必要になる。今後は、「称賛を伝えたいときほど、比喩を磨く」という逆説的な作法が、放送トークにおける重要な作法になるだろう。とりわけ音楽・ライブの感想は熱が伝わりやすい一方、言葉の切れ味が鋭すぎると誤解を生む。対象への敬意と事実確認、そして修正の速さ——この3点セットが、信頼性を回復・維持する鍵だ。
まとめ
東野幸治はABCラジオのオンエアで、不適切な表現と事実誤認について謝罪と訂正を行い、「陰ながら応援する」「真摯に向き合う」と再発防止の姿勢を示した。背景には、Oasis東京ドーム公演というビッグスケールの現場でおとぼけビ~バ~がオープニングアクトを務めた文脈がある。今回のケースは、誤りの早期修正と透明性のある説明が、誤解の拡大を抑えるうえで効果的であることを再確認させる出来事だった。今後は、番組・出演者・リスナーそれぞれが、熱量と配慮のバランスを意識しながら、健全な対話を積み重ねていくことが求められる。
