X(旧Twitter)での一言――「『ぞうきんを絞った汁の味』と言ってからケンミンショー呼ばれてません」。人気ロックバンド・ヤバイTシャツ屋さんのギター/ボーカル、こやまたくやが17日にこう投稿し、昨年のテレビ出演時の“率直すぎる食レポ”をあらためて振り返った。番組名を名指しする自虐ぶりが拡散され、バラエティと食文化リスペクトの線引きがあらためて議論に。
なにが起きたのか――経緯をコンパクトに整理
- 昨年5月放送の「秘密のケンミンSHOW極」で、沖縄のヤギ汁を試食する企画にこやまが出演。
- 独特の香りに苦戦しつつ、「口の中でぞうきんを絞ったみたい」などと率直にコメント。
- 2025年11月17日、こやまがXで「その後呼ばれていない」と自虐投稿。即トレンド化し話題に。
番組の趣旨は、各地の“賛否両論グルメ”を紹介し、リアルな反応を楽しむもの。こやまの発言は、本音を期待されるバラエティの文脈ではあるが、比喩の強さがクローズアップされ、結果として出演機会に影響?という“オチ”が、本人の自虐で可視化された形だ。
なぜ刺さったのか――笑い・礼節・文化のせめぎ合い
沖縄のヤギ汁は、祝い事などで供されてきた地域の食文化。ヤギ特有の香りや味わいは“慣れ”の要素も大きく、初体験で賛否が割れるのは珍しくない。バラエティの現場では、「正直な感想」と「ローカルへの敬意」を両立させる言語選択がいつも難題だ。
今回のケースで多くの視聴者が引っかかった点は、比喩のインパクトと、全国ネットでの“素材化”の強度。
一方で、こやま自身が自虐的に反省も込みでネタ化し、火種を“笑い”に還元していることが、炎上ではなく論点化へと繋がった。
バンド活動への影響は?――“ヤバTらしさ”と地上波の距離
ヤバイTシャツ屋さんは、軽快なメロディとユーモアで幅広い層に支持されるバンド。
こやまのキャラクターも含めて、率直/自虐/ちょい毒のバランスは持ち味のひとつだ。
ただし、地上波の食レポにはスポンサー配慮・地域配慮・番組フォーマットが重なる。「バンド現場の笑い」と「放送の言葉」は似て非なる文脈であり、“言葉の粒度”の最適化が求められるのは確かだ。
今回のこやま投稿が刺さる理由――ポスト後の“透明性”
本人が「呼ばれてません」と正直に書いたことで、視聴者が裏側の空気を想像できる状態になった。
「バラエティは台本通りが安心」か「本音が見たいのが醍醐味」か――視聴者側の受け取りも二分され、番組づくりの現在地を浮き彫りにした。
食リポの“ベター”――番組側・出演者側のチェックリスト
- 番組側:“賛否”を前提にする場合、事前に「可と不可の表現レンジ」を共有しておく。
- 出演者側:率直+配慮のバランスを即興で取る練習(「比喩のクッション語」や「別の魅力の同時提示」)。
- 文化リスペクト:香り・食感などに驚いた時は、作法・素材・背景に触れる“入り口の知識”を添える。
これらは出演者の萎縮ではなく、“面白さと敬意の両立”の設計だ。バンドマンのセンスある比喩は魅力。粒度のコントロールで、より多くの現場に届く。
SNSの反応(要旨)
- 「あの比喩は笑ったけど、そりゃ呼ばれんやろw」――バラエティ文脈での“強すぎるパンチ”を指摘。
- 「本音トークが見たいからこそ出してほしい」――歯切れの良さを評価する声。
- 「沖縄のヤギ汁は作り手や部位で全然違う。次は“おいしい側”の店で再挑戦を」――文化リスペクト派の提案。
- 「自虐で笑いに変えるのがこやま」――投稿そのものを楽しむファンの受け止め。
“呼ばれない”は永遠ではない――巻き返しのシナリオ
- 再挑戦企画:ヤギ汁の別調理やアレンジ、現地の名店で再トライ。文化の背景を一緒に学ぶ。
- 食×音楽の橋渡し:ライブ遠征先での“地元グルメ・リスペクト企画”を配信コンテンツ化。
- 比喩術の進化:辛口でも角が立たない“ポジティブ転換の言い回し”を引き出しに。
バンドの言葉のセンスを番組側が改めて評価すれば、再登板の余地は大いにある。今回の自虐ポストは、その呼び水にもなり得る。
「率直」と「敬意」の交差点で
こやまたくやの発言は、バンドマンの直球とテレビの設計の“すれ違い”が生んだ出来事だったと言える。だが、自虐で自分からオチをつける力量は、次に繋がる資質でもある。
文化を知り、敬意を払い、でも面白く。その更新を重ねることができれば、彼はまた呼ばれる。そして、そのときの食レポはきっと“笑いと愛”のちょうどいい中間に落ちる。
まとめ:こやまの「呼ばれてません」は、単なる愚痴ではなく、テレビとローカル食文化の向き合い方を問い直すユーモラスな投げかけだった。
笑いのセンスと敬意のバランス――その最適解は、次の出演でまた更新されるはずだ。
X(旧Twitter)での一言――「『ぞうきんを絞った汁の味』と言ってからケンミンショー呼ばれてません」。人気ロックバンド・ヤバイTシャツ屋さんのギター/ボーカル、こやまたくやが17日にこう投稿し、昨年のテレビ出演時の“率直すぎる食レポ”をあらためて振り返った。番組名を名指しする自虐ぶりが拡散され、バラエティと食文化リスペクトの線引きがあらためて議論に。
