2025年11月24日、トヨタアリーナ東京で行われるWBC世界バンタム級王座決定戦で、同級1位の那須川天心(27=帝拳)と同級2位の井上拓真(29=大橋)が激突する。無敗の“神童”と、元世界王者の技巧派ボクサーが、日本人同士で世界王座を争う注目の一戦だ。
そんな中、那須川はインタビューで「負ける覚悟があるからこそ自分が勝つ」と語り、自身の内面にあるリアルな勝負観を明かした。これまで“負け知らず”で走ってきた男が、あえて「負け」を口にしたこと自体が、この試合への本気度を物語っていると言えるだろう。
WBC世界バンタム級王座決定戦 日本人トップ同士の激突
今回の試合は、空位となっているWBC世界バンタム級王座を懸けた12回戦。カードは以下の通りだ。
- 同級1位 那須川天心(帝拳)…キック&MMA時代を含め通算54戦無敗。プロボクシングではここまで7戦7勝(2KO)とパーフェクトレコードを維持。
- 同級2位 井上拓真(大橋)…22戦20勝(5KO)2敗。WBA世界バンタム級王座、WBC世界バンタム級暫定王座を獲得したこともある元世界王者。
那須川は「同じ日本人同士だし、今のボクシング界で一番盛り上がるカード。ここがゴールではないが、ベルトは“一つの形”として必ず残る。しっかり獲りたい」とコメント。
“無敗の神童”と“世界を知る元王者”、どちらが新チャンピオンとして名を刻むのか──日本ボクシング界の勢力図を左右する一戦となるのは間違いない。
「負ける覚悟があるからこそ自分が勝つ」那須川が語る勝負観
今回のインタビューで最も印象的だったのが、この言葉だ。
「負けは怖くない。そうじゃないと勝負なんてできない。負ける覚悟があるからこそ自分が勝つ。そう思っています」
華々しい戦績とは裏腹に、那須川はボクシング転向後、メキシコ人ボクサーとのスパーリングなどで思うようにいかず、「どれだけ試行錯誤しても、自分の考えだけじゃ難しいなと思うことも多々あった。正直、病んだ」と明かしている。
それでも彼は、
- 「本番は誰でも頑張れる」
- 「大事なのは、試合の有無に関係なく、日々どう生きるか」
と語り、日常の過ごし方こそが勝敗を分けると強調する。勝つか負けるかではなく、「負ける可能性も含めて覚悟したうえでリングに上がる」。そのうえで「自分が勝つ」と言い切るのが、現在の那須川天心のスタンスだ。
ボクシング転向は「厳しい道」 朝倉未来が見てきた天心の変化
試合を前に配信されたPrime Videoの独占密着では、旧知の仲である朝倉未来も登場。那須川のボクシング挑戦について、率直な本音を口にしている。
朝倉は、転向の話を聞いた当初について、
「厳しい道に行くなぁと思いました。キックボクシングにいるのが一番安全じゃないですか。ボクシングってなると、天心は“蹴りの選手”だと思ってたから、『苦労するんじゃないかな』『負けるんじゃないかな』とは思ってましたね」
と振り返り、那須川の決断がいかにチャレンジングだったかを強調。実際、那須川自身も「ボクシングってスパーリングをかなりやる。前に出てなんぼのメキシカンスタイルに合わせるのは時間がかかった」と語っており、キックでの成功を一度捨ててゼロから学び直した日々があった。
また、ボクシングという競技そのものについて、朝倉は、
「パンチしかない分野で勝ち抜いているやつはヤバい。選択肢が絞られた状態の競技ほど、極めるのはすごいと思う」
とコメント。さらに、日本のボクシング界については、
「日本のボクシングに関しては、マジで井上尚弥以外、誰が戦ってるのか分からない人も多いと思う。正直、興味がないっていう状態。だからこそ、今回は井上尚弥の弟・拓真と天心の試合で、ようやく“熱い想いで見られるカード”が来た印象」
と語り、那須川 vs 井上拓真戦が「井上尚弥一強」のイメージを揺さぶるカードになり得ると期待を寄せた。
“神童”の光と影 過去のスキャンダル&炎上も糧に
那須川天心は、その華麗なファイトスタイルだけでなく、プライベートや言動でもたびたび話題になってきた。ここでは、これまで取り沙汰されてきた主なゴシップ・炎上を整理しておく。
浅倉カンナ&葉加瀬マイとの“二股疑惑”
RIZINで活躍していた総合格闘家・浅倉カンナとの交際は、SNSを通じて事実上公認されていたが、その後、写真週刊誌がグラビアタレント・葉加瀬マイとの熱愛を報道。交際時期の重なりから、「二股ではないか」との疑惑が浮上し、ネット上で大きな話題となった。
最終的に浅倉とは破局し、那須川自身も「当時は本当に落ち込んだ」と語るなど、若さゆえの恋愛がキャリアにも影を落とした一件だったと言える。
金髪美女ダンサーとのランニングデート報道
その後も、金髪の美女ダンサーとの深夜ランニングデートが報じられるなど、恋愛絡みのゴシップは後を絶たない。世界戦を控えたタイミングでの報道に対し、
- 「心の支えがあるならむしろプラス」
- 「今はボクシングに集中すべきでは」
と、ファンの声も賛否が分かれた。
大谷翔平コメントでの“プチ炎上”
テレビ番組で大谷翔平についてコメントした際、
「テレビつければ大谷翔平じゃないですか。みんな飽きないんですかね?」
と発言したことで、一部から「大谷批判だ」「嫉妬では」と受け取られ、プチ炎上。本人はその後、「すご過ぎてどこを切り取っても大谷翔平になる、という意味もあった」と釈明し、“良い炎上だった”と苦笑まじりに振り返っている。
中居正広への“集中攻撃”に苦言
また、バラエティでの言動などを巡って中居正広がネット上で叩かれた際には、那須川がX(旧Twitter)で、
「みんなで1人を叩いて何がおもしろいのか」「もっと自分の人生を生きよう」
と投稿。特定の名前は出さなかったものの、“ネットリンチ”の空気に対する違和感を示したと受け止められた。
自身も炎上やバッシングを経験しているからこそ、他人を一方的に叩く空気には強い抵抗感を持っていることがうかがえる。
那須川天心 vs 井上拓真 勝負を分けるポイントは?
技術面で見れば、那須川はキック時代からの“当て感”とカウンターセンス、独特のリズムが武器。一方、拓真は世界の修羅場をくぐってきた経験値と、ペースコントロールのうまさが光る。
想定される勝負のポイントは、
- 序盤の主導権争い…那須川のスピードに拓真がどう対応するか
- 中盤以降のスタミナと修正力…相手の出方を見てからの戦術変更ができるか
- 判定を意識したラウンドマネジメント…世界戦12Rという長丁場をどう使うか
無敗の挑戦者が世界のベルトを初めて腰に巻くのか、それとも元世界王者が意地を見せるのか。どちらに転んでも、日本ボクシング史に残る一戦になることだけは間違いない。
まとめ:世界一熱い“覚悟”がぶつかる11月24日
那須川天心は、
- キック&MMAでの圧倒的な実績
- ボクシング転向後に味わった挫折と成長
- 恋愛スキャンダルや発言炎上といった“ゴシップ”
など、光と影のすべてを背負いながらリングに立つ。「負ける覚悟があるからこそ自分が勝つ」という一言には、その全てを飲み込んだうえで前へ進もうとする覚悟が詰まっている。
新たなWBC世界バンタム級王者となるのは、無敗の神童か、経験豊富な元世界王者か。
11月24日、トヨタアリーナ東京で鳴り響くゴングの瞬間、日本ボクシングの新たな章が開かれる。
