元TOKIOの国分太一が、11月26日に都内の司法記者クラブで緊急会見を実施しました。日本テレビ系「ザ！鉄腕！DASH!!」など複数番組を 突然降板することになった“コンプラ違反”について、本人の口から語られるのはこれが初めて。
憔悴した表情で涙ながらに謝罪する姿が生放送で流れる一方、肝心の「何をしたのか」は最後まで明かされず、視聴者のモヤモヤはむしろ深まる結果となりました。
弁護士同席の異例会見 「自覚が足りなかった」と謝罪するも“核心”にはフタ
会見には、国分とともに代理人の弁護士・菰田優氏が同席。舞台がワイドショー向けの会見場ではなく、 司法記者クラブだったことからも、事務所側が事案をかなりシビアに捉えていることがうかがえます。
国分はまず、スポンサー、テレビ局、メディア関係者、家族、そしてファンに向けて深々と頭を下げ、 「自分の自覚が足りなかった」「信頼を裏切ってしまった」と謝罪。
「コンプライアンス違反をしたことは事実」「二度と同じことが起きないよう向き合う」と認めつつ、その具体的な中身については徹底して口を閉ざしました。
記者からは「具体的にどんなコンプラ違反なのか」「報道されている“猥褻事案”との関係」などを問う質問も出ましたが、 その多くは弁護士が割って入り、「現時点ではお答えできない」「個人の権利保護の観点から控えたい」などの理由で遮断。 テレビ中継を見ていた視聴者の中には、「全然スッキリしない」「余計にモヤモヤする」という声も少なくありません。
一方で、国分は日本テレビに対して「対立する気持ちはありません」としながらも、 「事実を知り、関係者にきちんと向き合いたいが、こちらのお願いが何ひとつ叶わないまま今日に至っている」とも発言。
「日テレへの感謝と、説明を求めたい本音」が同居した複雑な心境がにじむ場面もありました。
文春は「2つの猥褻事案」と報道 だが会見では完全スルー
タイミングを合わせるように、11月27日発売の「週刊文春」では 「国分太一が自白した2つの猥褻事案の全貌」という刺激的な見出しの記事を掲載予定と報道されています。 会見中にも一部記者が「文春ではこう書かれているが…」と切り込もうとしましたが、 こちらも弁護士が即座にブロック。事実関係について具体的な言及は一切されませんでした。
もちろん、現時点で公式に認められているのは「コンプラ違反」という抽象的な言葉のみであり、 週刊誌報道の中身がすべて事実だと断定することはできません。
とはいえ、「猥褻事案」というワードだけが一人歩きし、ファンの間では最悪のパターンまで想像してしまうという“情報の空白”が生まれているのも事実です。
会見の場で「法的な問題がある」「被害者がいる可能性がある」などの事情があるなら、そこも含めてもう少し丁寧に説明しておけば、 視聴者の受け止め方も違っていたかもしれません。「言えない事情」を抱えたまま表に出る難しさと、 それでもなお納得を求める世間とのギャップが、今回の会見をより複雑にしています。
比較される中居正広氏 「引っ込んだまま」よりはマシ？
今回の会見で、SNSなどで必ずと言っていいほど名前が挙がったのが、 元SMAPの中居正広氏です。中居氏は、元フジテレビアナウンサーの女性と「性暴力」事案で示談し、 すでに芸能界を引退したとされていますが、詳細な中身については本人の口から語られていません。
フジテレビとフジ・メディア・ホールディングスが設置した第三者委員会の報告書では、 「性暴力」という表現が使われたことに対し、中居氏側が文書で
「『性暴力』という言葉は凶悪犯罪をイメージさせる」「名誉に多大な影響があるのに配慮がない」
と反論したことが明らかになりました。しかし、そこから先、 中居氏が自らカメラの前に立ち、肉声で説明する場面は今に至るまで一度もありません。
そのため今回の国分の会見について、ネット上では
「中居さんのように引っ込んだままより、少なくとも自分の言葉で謝罪しに出てきた方がまだマシ」といった声も上がりました。
もちろん、会見を開いたからといって過去が帳消しになるわけではありません。 それでも、「沈黙を貫く」のか「不完全でも表に出る」のか、その姿勢の違いを世間は敏感に見ているということなのでしょう。
一方で、「具体的な内容を語らない会見なら、出てこないのと大差ない」という厳しい意見も少なくなく、 両者の対応を単純比較できる話ではありません。「説明責任」と「法的リスク」「被害者への配慮」、 そのどこに軸足を置くかで、タレント本人も事務所も対応が分かれているのが現状です。
“コンプラ違反”時代のタレントリスクと、視聴者のモヤモヤ
ここ数年、芸能界では「コンプライアンス違反」という曖昧な言葉でタレントの降板や契約終了が発表されるケースが急増しています。 昔なら「女性問題」「飲酒トラブル」「暴力沙汰」など、ある程度具体的に説明されていた事案も、 今は一括りに「コンプラ違反」と処理されることが多くなりました。
もちろん、被害者がいる可能性のある案件や、プライバシー性の高い問題については、 公に細部を明かさないという判断も理解できます。ですがその一方で、
視聴者やスポンサー側からすると「何をした人なのか」が分からないまま、“なんとなくヤバい人”というイメージだけが残ってしまうリスクもあります。今回の国分のケースは、その典型と言っていいかもしれません。
TOKIOとして長年「ザ！鉄腕！DASH!!」などで信頼を積み上げてきた国分だけに、 「こんな終わり方なのか」とショックを受けるファンも少なくありません。 今後、彼が表舞台に戻る可能性があるのか、それともこのままフェードアウトしていくのか―― それを判断するのは、これからの本人の行動と、時間の経過を見守るしかありません。
“涙の会見”はスタート地点にすぎない
今回の会見で唯一はっきりしたのは、「国分太一本人が、自分の問題を“なかったこと”にはせず、 少なくとも世間の前に姿を見せて謝罪した」という事実です。
それが“中居正広氏よりマシ”と評価される理由である一方、視聴者のモヤモヤを完全に晴らすにはほど遠い内容だったのもまた事実でしょう。
もし今後、法的な整理や関係者へのケアが進み、話せる範囲が広がったタイミングが来るなら、 そこであらためてもう一歩踏み込んだ説明を期待したいところです。
ただ一度失った信頼を取り戻すのは、会見一度で済むほど簡単な話ではありません。 「涙の謝罪」が、国分にとって本当の意味でのスタート地点になるのかどうか―― その答えは、これからの時間の中で徐々に明らかになっていきそうです。
